アメリカ★だらだら読書日記

ロサンゼルス在住。英語(洋書)の絵本を含めた児童書や、児童書作家について調べています。

149. Clementine


- Clementine
- Sara Pennypacker (Author)
- Marla Frazee (Illustrator)
- Hyperion 2006年 出版
- 144 pages
★★★★★

クレメンタインは落ち着きの無い、8歳の女の子

友達の長い髪を、ほとんど丸坊主に切ってしまい、さらにマーカーで赤く染めてしまって、校長先生に呼び出されますでもそれは、友達の方がクレメンタインみたいな赤毛に憧れてたから、やってあげたんですけどね・・・。その後、友達思いの彼女は、自分の髪もみじか~く切ってしまいます

アートなクレメンタインの視点から見ると、最高に素晴らしい事であっても、周りから見たら、びっくり仰天な事がいっぱい!でも、彼女の独特な視点がハト戦争では役に立ったりします

キャラクターの個性に磨きをかけるのが、クレメンタインの心の声や会話の部分。これが最高ということで、子供のみならず大人にも大ファンが多いです。


対象年齢もさることながら簡単な本なのだけど、発想が突飛な事から、母語が英語でない私にとっては、たまに“えっ?”と戸惑う箇所もありました。例えば“Go for a wok”これは最初、子供独特のいい間違い??と思わず読み返しました。その後、何のことかはイラストも出てるので分かるのですが。。

この時々出てくるイラストが、ちょっと変わった内容を補足する役割もあり。そして、このイラストもとっても可愛い友達とクレメンタインの短髪の絵なんて最高です

現代のアメリカを舞台に、ここまで強烈で個性的なキャラクターを作り出したサラ・ペニイパーカーさんってすごいです!!

148. The Longest Night


- The Longest Night
- Marion Dane Bauer (Author)
- Ted Lewin (Illustrator)
- Holiday House 2009年 出版
★★★★★

冬の長い長い夜。
動物達が夜が明けるのを心待ちにしています。

誰が太陽を昇らせることが出来るのか?
その答えは風だけが知っています。

それぞれの大きな動物が、それは自分だと偉そうに言いますが、風の答えは違っていました。

リズムのあるお話で、ポエムのように語られていくお話。
イラストはとても素晴らしく、最後の数ページは森に太陽が昇るという行為が、神々しく感じられるほどでした。


147. Rules


- Rules
- Cynthia Lord (Author)
- Scholastic 2006年 出版
- 224 pages
- Newbery Honor 2007年
- Schneider Family Book Award 2007年
★★★★★

キャサリンは、自閉症の弟を持つ、11才の女の子。彼女はいつもちゃんと弟の面倒を見てあげていて、いつも弟の好きな“ルール”を作ってあげています。

それは例えば、“金魚の水槽にオモチャは入れない”というルール。

彼女は時に一生懸命すぎるくらい、弟にルールを作って頑張っています。

それでも、誰かが弟をからかったり奇異の目で見るとき、彼女はとても傷つく。笑われたくないと思う。ただ普通の生活を送りたいと願う。

そんな中、車椅子の男の子に出会う。さらに隣に女の子が引っ越してくる。彼らと関わり合いながら、ある夏を過ごしていくうちに、彼女の中で願っていた事が変化していきます。

暖かい物語の中に、普通とは何か、それが一番素敵なことか、を問いかけてくる鋭さがあります。

この物語はフィクションですが、著者には実際に娘と自閉症の息子がいるのだそうです。だから障害のある人を持つ家族の視点がとてもリアルに書かれているのですね。

私自身も読んでいて、自閉症の男の子が本当の家族のように思えて来たり、車椅子の男の子のような友達がいたら素敵だなと思いました。

146. Crow Call


- Crow Call
- Lois Lowry (Author)
- Bagram Ibatoulline (Illustrator)
- Scholastic 2009
★★★★

時は1945年。
戦争から返ってきたお父さんと娘のお話です。

お父さんは、長い間、戦争に行っていて留守にしていたので、女の子はちょっと緊張意味。。お父さんに呼びかける練習を心の中で何度もします。

お父さんはずっと会ってなかったから、彼女の好きな食べ物を知らない。。けど、チェリーパイだと答えたら2つも注文してくれた。

そして二人でハンティングへでかけて、カラスを呼びます。。

お父さんが返ってきたことを実感している、女の子の小さな心が、静かに繊細に語られています。

この作者は、ニューベリーメダルを2つも受賞した有名な作家。彼女が女の子だった頃の、父親との本当の思い出なのだそうです。

145. Pippi Longstocking


- Pippi Longstocking
- Astrid Ligren (Author)
- Puffin Books 2005年出版(この本のアメリカでの初版は1950年。原作は 1945年初版 スエーデン)
- 160 pages
★★★★★

児童書の名作として図書館や児童文学書などで必ず名前があがる本なので、一度読んでみたいと思っていました。

少し言い回しが古くて英語が難しいのか、最初は読みずらく感じました。ピッピの行動があまりに突飛なので、英語の文字だけから想像するのが難しかったのもあると思います。でも、そうしたピッピの行動にも慣れてきた頃に、英語の言いもわしにも慣れてきて、途中からぐんぐんと読めるようになりました。

ピッピはものすごく強い女の子で、馬とサルと一緒に一人で住んでいます。お行儀がいい子とは正反対だし、冗談の嘘もしょっちゅうつく。学校へ行くとか、パーティに呼ばれるなどの団体行動なんてとんでもない。ハチャメチャさがとにかく激しいのが笑えるところです。

さらに世界一強いし、曲芸の様な事もできる、スーパーマンみたいな女の子。人助けをしたりするので、見ていてすっきりするシーンもあります。

この本は、原作はスエーデンで、世界中に翻訳されている名著。もともとは、作者の娘が肺炎で寝ているときに、話して聞かせるために思いついたのだとか。自分の子供を愛する気持ちから作られた話だというのが素敵ですね。

日本では「長くつしたのピッピ」という題名で出版されているそうですが、翻訳版も読んでみたいです。

144. A Visitor for Bear


- A Visitor for Bear
- Bonny Becker (Author)
- Kady MacDonald Denton (Illustrater)
- Candlewick Press 2008年出版
- 56 pages
- E.B. White Read Aloud Award 2009

★★★★★
クマさんは、お客さんが好きではなくて、玄関に“お客さんお断り”と看板を出してるくらい。でも、クマさんが朝食を楽しく作っていると、小さい、灰色の、目がキラキラしたネズミが訪ねてきます。

クマさんが出て行けー と怒ると、小さい、灰色の、目がキラキラしたネズミは素直に謝って出て行きます・・・が、または戻ってきます根負けしたクマさんは、そしてとうとう泣いてしまう。。

キャラクターは怒ったり、泣いたり、笑ったり、大忙し。ストーリ展開が上手に出来ているので、次々と一揆に読んでいってしまいました。

ペンと水性絵の具で描かれたクマさんの家が、とっても素敵。
ドタバタ劇の様子も、表情豊かに描かれていて面白いです

56ページと、絵本にしてはちょっと長めだけれど、飽きることなく読めるのは、物語の魅力と絵が相性良く溶け合っているからだと思います。

143. All the World


- All the World
- Liz Garton scanlon (Author)
- Marla Frazee (Illustrator)
- Beach Lane Books 2009年 出版
- 40 pages
- Caldecott Honor 2010 (コルデコット銀賞)

★★★★★
シンプルで、ただ単語を並べたようだけど、韻を踏んでいて、暖かいお話です。

題名が“世界じゅうすべて”で、話のスケールは大きい。海辺のシーンから“世界は広くて深い”と大自然のことがらからはじまります。そして、畑、道、天候など自然の話から、食堂や音楽など段々と日常にフォーカスされていきます。最後には“あなたと自分の世界”へ話題をもっていく。。

自分のまわり全てに世界があるんだと、大人にも気付かせてくれます。。

この作品でコルデコット・オーナーを受賞したイラストレータのマーラさんは、パサデナ在住。現在、私はパサデナに住んでいるので、この絵の景色もなんだか身近なものに感じました。

142. The Cowboy's Christmas


-The Cowboy's Christmas
-Joan Walsh Anglund (Author)
-1972年初版
★★★☆

ジョアンさんの賢いカウボーイシリーズのクリスマスのお話です。

もうすぐクリスマス
カウボーイくんは、クリスマスの準備で大忙し。

クリスマスカードを出したり
プレゼントをラッピングしたり

お友達のクマくんとともに、てきぱきと用事をこなします。

さらにカウボーイくんは、普段よりさらに良い子ですごします。

この本も、ジョアンさんの他の本と同じで詩的な文章で言葉は少なめ。
絵がとっても可愛いです

彼女の本は昔とっても売れたみたいで、この絵を見て、子供時代を懐かしく思う大人が結構いるみたいです。彼女の絵から作られたグッズや人形もあるようですが、いつか見てみたいです。

141. Pet of the Met


-Pet of the Met
-Lydia&Don Freeman
-The Viking Press 初版1953年
★★★★

ニューヨークのメット(メトロポリタンオペラハウス)には音楽の才能があるネズミがいましたその名もマエストロ・ペトリニ。彼の仕事は指揮者の横で、楽譜のページをめくること。誰よりもオペラを愛する彼は、家族とともにメットの屋根裏に住んでいました。

しかし、同じ建物の地下に、オペラとネズミが大嫌いな猫が住んでいました。。その猫がある日、マエストロを見つけてしまい大騒ぎ

オペラで著名なメットを舞台に、美しく、華やかに、そして楽しく繰り広げられるお話です。

コーデュロイの作家ドン・フリーマン氏と、妻のリディア・フリーマン氏の共同作品です。

140. A Pocket For Corduroy


- A Pocket For Corduroy
- Don Freeman (Author, Illustrator)
- Viking Penguin Inc. 初版1978年

★★★★★
コーデュロイの続編です。

リサは、コーデュロイをとっても大事にしてくれるけれど、コーデュロイは相変わらず。のほほんとしていて、怖いもの知らずな行動が、また可愛いんですけどね。

コーデュロイは、リサとママとコインランドリーへ。そこで、コーデュロイは自分にはポケットが無い事に気付いてしまう。。そして自分のポケットを探して、勝手にうろうろしてしまい、リサと離れ離れになってしまいます。。

作者のドン・フリーマン氏は、サンディエゴ生まれですが、最終的にはニューヨークに住んでいたということ。コインランドリーに来ている他のお客さんがアーティストだったり、オーナーが、ヒスパニック系の人だったりするところが、ニューヨークらしさが出ていて面白いです。
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