アメリカ★だらだら読書日記

ロサンゼルス在住。英語(洋書)の絵本を含めた児童書や、児童書作家について調べています。

児童書8-12Ages(上級)

147. Rules


- Rules
- Cynthia Lord (Author)
- Scholastic 2006年 出版
- 224 pages
- Newbery Honor 2007年
- Schneider Family Book Award 2007年
★★★★★

キャサリンは、自閉症の弟を持つ、11才の女の子。彼女はいつもちゃんと弟の面倒を見てあげていて、いつも弟の好きな“ルール”を作ってあげています。

それは例えば、“金魚の水槽にオモチャは入れない”というルール。

彼女は時に一生懸命すぎるくらい、弟にルールを作って頑張っています。

それでも、誰かが弟をからかったり奇異の目で見るとき、彼女はとても傷つく。笑われたくないと思う。ただ普通の生活を送りたいと願う。

そんな中、車椅子の男の子に出会う。さらに隣に女の子が引っ越してくる。彼らと関わり合いながら、ある夏を過ごしていくうちに、彼女の中で願っていた事が変化していきます。

暖かい物語の中に、普通とは何か、それが一番素敵なことか、を問いかけてくる鋭さがあります。

この物語はフィクションですが、著者には実際に娘と自閉症の息子がいるのだそうです。だから障害のある人を持つ家族の視点がとてもリアルに書かれているのですね。

私自身も読んでいて、自閉症の男の子が本当の家族のように思えて来たり、車椅子の男の子のような友達がいたら素敵だなと思いました。

53. The Lion, the Witch and the Wardrobe

img20090619.jpg - The Lion, the Witch and the Wardrobe
< The Chronicles of Narnia >
- C.S. Lewis
- 1950年
- 189 pages
★★★☆ 3.5
ナルニア国物語シリーズ第二巻。
映画になっていることもあり、ロングセラー作品。

全七巻のうちの第二巻ですが、作者が書いた順では一番古いものなので、これから読んでもいいそうです。また、評価の高い書評でもよく見かけるのが二巻なので読んで見ました。

現代の子どもが、遊んでいてタンスに入ると、その奥には別の世界がつながっていた・・・。そこは、動物達が会話をするナルニアという不思議な国。魔女によって雪の世界にされていたナルニア国を、ライオンと一緒に救う物語。

ファンタジーですが、子供的な可愛い描写も沢山あります。前半は現代のシーンもあり導入部は入りやすいです。が、全体的に古めのイギリス英語ということもあり分かりずらかった汗だーらには、レベルが高かったようです。。でも、次が読みたくなり、難しくてもどんどん読んで行きました。これは物語の力です。

しかし、読み終えて思うのは・・・うーん。とにかく、キリスト宗教色がとても濃いです。裏切りという罪を背負った人間の子供のかわりに拷問にかけられるライオンのシーンでは、必要以上に暴力が画かれてショックでしたショック読んだ後で知ったのですが、ライオンはイエス・キリストを表しているのだとか。

善と悪が、理由無くくっきりしていて、変化しようのない所も疑問を抱いてしまいます・・。ここは、欲と闘い葛藤を繰り返す指輪物語などと大きく違うところです。

アメリカでの色々な書評を読んでみると、このキリスト宗教色が濃いことと暴力的なシーンが濃いことで、注意を促しているものもありました。

19. Kira- Kira

kira-kira.jpgKira- Kira
-Cynthia Kadohata

-Aladdin (Dec 26, 2006)
-9-12 Ages, -272 pages
-The Newvery Medal 2005(ニューベリー金賞)
★★★★★

レベル5でも、日常の生活と会話なので読みやすいと思います。
さらに、日本人であれば「キラキラ」という言葉も知っているしキラキラ

舞台は1950年代のアメリカ南部。
まだ有色人種への差別も厳しい時代を生きた、日系人姉妹のお話。
でも、差別の事ばかりにふれているのではなくて、
家族、病気、貧困などが盛り込まれていて、
どんな環境の人にでも共感できる内容になっています。

著者シンシア・カドハタさんは、日系3世。
この本でニューベリー賞を受賞冠
アメリカで活躍する日系人なんて嬉しい。
これからも、応援したいです。
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